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広報よなご


水鳥公園の生き物たち 7

アオマツムシ

涼しい秋の夜に、街路樹や公園の木の茂みから、「リー!リー!リー!」という大きな声が聞こえることに気づいた方はいませんか。音はきれいだけれども、ちょっと音量が大きすぎるこの声の主は、アオマツムシというコオロギの仲間です。
アオマツムシは、明治以降に中国から苗木と一緒に持ち込まれた外来生物です。体長は2.5センチ程度で、全身黄緑色をしています。人工的に作られた環境である、街路樹や公園の植栽を主な生活の場としていて、都市部に多く見られます。
鳴き声はとてもうるさいのに、鳴いているアオマツムシをみつけるのはちょっと難しいです。なぜなら、この虫は、樹木の葉が茂るところで、葉と葉のすき間に体を差し込むようにして潜んでいるからです。さらに、周囲の葉っぱと同じような明るい黄緑色の体をしていて、長い触角は体の下に折りたたみ、隠しています。
アオマツムシこのように、茂みの中では見つけにくいアオマツムシですが、明かりによく集まる性質があるので、街灯の下や民家の網戸などに飛来していることがあります。
米子水鳥公園では、園内の通路沿いに植えられている樹木の茂みを覗き込むと、アオマツムシが観察できます。米子水鳥公園は夕方になると、アオマツムシのほかにも、コオロギやスズムシなど、たくさんの秋の鳴く虫の声を楽しめます。
秋の夜、草むらや樹木で鳴いている虫たちの大合唱に耳を傾けてみるのも楽しいものです。

米子水鳥公園指導員
桐原 佳介


 

米子の民話散歩 78

木から落ちたタヌキ

秋も深まると、昔は澄んだ月に誘われてキツネやタヌキが夜通し遊んでいたといいます。

「山伏キツネ」という昔話があります。

昔、山伏が祈祷を頼まれて山道を歩いていたら、前の晩の遊びが過ぎて疲れて昼寝をしているキツネの前を通りかかった。よせばいいのに、いたずら好きな山伏は、持っていたホラ貝を寝ているキツネの耳にあてて、おもいっきり吹いた。キツネはびっくりしたのなんのって。寝耳に水…いやホラ貝で、飛び起きるやいなや山の中に逃げ込んだ。
山伏は大笑いしながら歩いていた。すると、まだ陽は高いと思っていたのにあたりが急に暗くなってきた。ありゃ、もう陽が暮れたか、と思って暗い夜道を凝らしてみると、何やら向こうから明かりが一つやって来る。見るとそれは葬式の行列だった。山伏は道を譲ろうとするが、狭い山道で譲りようがない。仕方なく道端に生えていた木に登って葬列をやり過ごそうとした。ところがこの葬列は、その木の根っこに棺桶を埋め、そこを墓にして拝みだした。しばらく拝んで葬式も終わって和尚さんも縁者の人もみんな帰ったので、山伏はやれやれと思って木から降りかけたら、さっき埋めたばかりの棺桶がぐらぐら動きだし、中から死人が出てきて、山伏の居る木に登ってきた。彼は驚いて降りかけた木をまた上がっていった。死人は山伏をめがけてどんどん上がってくる。山伏も震えながら木を上がっていった。が、死人も追っかけるのを止めない。山伏はとうとう木のてっぺんの梢まで追い上げられ、これ以上登れんしどうしようもない、と梢につかまってゆらゆらしとったら、ポキン!とその梢が折れて山伏は地面に向かってまっさかさま。これで一巻の終わり、と観念して落ちていたら、周りが急に明るくなって、山伏はキツネに化かされとったことに気付いた。昼寝しとったキツネを驚かしたので、その仕返しをされたのだと。

本教寺境内・イチョウの大木のあったところ岩倉町にある本教寺の庭には、以前、大きなイチョウの木がありました。その大木の上でキツネではなくタヌキがよく昼寝していたんだそうです。
ある日、お寺の檀家の人が、この木の下でホラ貝を吹かれたそうです。すると、その音にびっくりした木の上のタヌキが転げ落ちたんだそうです。
そのタヌキが仕返しをした、とは聞いていませんが、似たような話があるものです。

市文化財保護審議委員
川上 廸彦

 


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